テリー、小学校でお話しする

 

 来たる7月19日(木)、地元熊野第三小学校の授業で、ナント、僕の”電動車イスひとり旅”の体験をお話しすることになりました。

 ことの発端は、熊野第三小学校の先生が、去年の夏、町立熊野図書館で偶然、「電動車イスひとり旅」本を見つけたことに始まりました。

 

 

 

 熊野第三小学校では、年間を通してのカリキュラムに、5・6学年を対象として「道徳授業」が取り組まれていました。この授業の担当グループの責任者であるM先生から、その夏のある日、突然電話連絡が入りました。その道徳授業の一環として、「電動車イスひとり旅」本を取り上げ、あらたに副教材をつくって授業に生かしたいので、ご協力をお願いします、ということでした。僕は一瞬、心の中で、「ぎゃああー!?」と悲鳴を上げました。”こんな僕の、こんな「本」が、道徳授業に使われるなんてっ!”

 

 後日、M先生をはじめ3人の担当グループの先生方の僕宅へ訪問をうけました。僕はこのとき、”やっぱり本気なんだわ!”と思いました(笑い)。

 すでに職員会議では「電動車イスひとり旅」本を使用することが決定され、学校長の認可もおりているそうです。

 先生方のおっしゃる授業の要旨は、

 

 「 旅の途中で多くの見知らぬ人びとから助けられて、中田さんは何度も感謝の言葉を書かれています。

   また風景や自然を見ても感謝されています。この感謝する気持ちをテーマにして授業をしたいと考えて   います  」

 

とのことでした。

 

 僕は特に印象深いエピソードのいくつかをお話ししました。先生方は熱心にメモをとっていらっしゃいました。僕はその姿を見ていて、いつもの悪いクセが出て、ついつい余計なおしゃべりをしてしまったんです。

 

  『  僕は旅の途中で何度も思わぬところで助けられたのは、ただ単に物理的な目に見える形として助けられていたのではなく、天の上においでになるどこかのどなた様が、その時々の人の心のなかに現れて助けられていたと感じることが何度もありました。こんなこと、今どきの子供に言っても全然理解してもらえないことでしょうけれど。

 

 昨今は科学万能の世の中。昔は朝起きてお天道様に感謝の念を捧げたり、近所にはいつもガミガミ小言を言うおじいさんおばあさんがいて、そんなことをすると神様の罰が当たるよ! とか、誰が観ていると思うのか? ご先祖様が目を光らせて見てるんだよ、とか。そういって子供たちにして良いことと悪いことを教えていました。いわば子供はみんな、その地域の子供でもあったんですね。今はそんなことを言ってもせせら笑われるだけでしょうけど。

 

 目に見えないモノに感謝することを忘れてしまっているのかもしれない。それはモノ中心、おカネが中心の世の中に変わってしまっているからなんでしょう。

 こんな時代に道徳とか倫理とかを今の子供たちに伝える特効薬なんて、簡単な方法なんて、難しいのではないでしょうか? 生徒たちに道徳の話しをする以前に、ひとりの人間として、まずおのれの道徳観・人間観こそ、自ら検証しなければならないのではないでしょうか?   』

 

 3人の先生方は ”う~んっ”と首をうなだれておいでになりました。僕は先生方の教師としての自負心をないがしろにする発言をしてしまって、心から申し訳なく感じました。反省しています。ゴメンナサイ!

 

 その後、秋には副教材もできて、指導要綱もつくられ、何度か実際に授業も進められ、生徒たちの意見感想などをまとめた実践報告書も、僕の手もとに届けられました。その都度、僕の意見感想も先生方にお伝えしました。

 

 今年になってM先生から、久しぶりに電話連絡が入りました。担当グループの先生方の発案で、職員会議でも了承されて、来年度からは中田さんにも積極的に授業に参加してもらおうということになりましたので、よろしくお願いします、とおっしゃるのです。

 僕はまた心の中で、「ぎゃああーっ!」と、叫び声を上げていました。

 

 今年度の2012年6月になって、夏休み前に「電動車イスひとり旅」教室を行うことになりましたとM先生から連絡が入り、とうとうその日が、7月19日、6年1組の5時限・6時限目に決まったのです。生徒たちから、ゆっくり中田さんの話を聞きたいという意見が多数出て、通常1時限45分間の授業を2時限連続90分の授業になったそうです。

 三度目の、「ぎゃああー!」です(笑い)。

 

 僕には児童たちがどんな質問・意見・感想をぶつけてくるのか? まったく想像もできません。遠慮会釈のないストレートでぶしつけな質問に僕はオタオタとたじろいでしまうかもしれません。

 90分の長丁場。うまく取りつくろうだけの受け答えや小手先の返答など通用しない。たちまち子供たちから僕の”本性”は見破られ、白日の下にさらされ、白い目で見られ、その場にたたき伏せられることでしょう。でも僕は今から戦々恐々としつつも、期待でワクワクもしているのです。

 これはきっと僕自身の大切なお勉強の時間になると思います。

 

 またしても公開予告となってしまいましたが(苦笑)、この日どんなことが教室内で起きたか? 皆さまに必ず報告します。お約束します。お待ち下さい。

 

中田輝義、拝。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    fumifumi (月曜日, 09 7月 2012 19:43)

    「電動車イスひとり旅」は未成年(特に子供)には理解しにくい部分が多々あると思いましたが、まさか小学生とは!
    大人ならどんなに気楽な事か...なんて思っている中田さんの顔が頭に浮かびました。(笑)

  • #2

    中田輝義 (水曜日, 11 7月 2012 02:54)

    fumifumi さんへ、

    それが大人が相手だって、そんなに気楽なもんじゃなかったんです(笑い)。
    僕は今年の2月に安佐北区社会福祉協議会が開催した、
    「ボランティアきっかけ講座」で、50〜60人ほどの人たちの前で、
    きっちり2時間お話したことがあったんですが、
    一週間ぐらい前からお腹が緊張でキリキリと痛くなってきて、
    大変だったんです(苦笑)。
    今回はそれ以上です。
    はたしてどうなることやら。もう居直るしかありません。
    ただ小学生が相手だからといって妙に子供言葉を使ったり、へつらったりしないで、
    いっさい妥協なく断固僕の日常の言葉でお話つもりではあるんです。
    ああ、それもどうなることやら、、、
    今から期待と不安で体調不備の日々です。

    テリー、拝。

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