過日、8/26に広島テレビで放映された24時間テレビ「愛は地球を救う」番組を観た西区広島市立井口小学校から、熊野町立熊野第三小学校を通じて「電動車イスひとり旅」についての正式な講演依頼を受けました。
井口小学校では毎年一回、先生方とPTAが一丸となって、全校挙(あ)げてのイベントを企画しておられて、身体障害者のピアノ演奏会などの実施された経験をお持ちなのだそうです。
企画担当のS教諭(女性)との間で、今年の9月から取り組み内容や日程その他について打ち合わせを重ねてきましたが、12月11日(火)ごろでどうでしょうか?という具体的なところまで進展してきました。
S先生によれば、井口小学校は西区の新興住宅街の中にあって全校生徒700名あまりのマンモス校なのだそうです。当初S先生からは、全校生徒を体育館に集めたときには、列の最後尾から演壇の講演者の顔がよく見えないし聞こえにくいので、午前中に1~3年生の一回と午後から4~6年生一回と、二回に分けて行いたいのですがどうでしょうか?との要望を受けました。
熊野第三小学校の時には6年生全員でも50名ほどだったのに、二回に分けたとしても一回の講演に350人以上がお相手。それを一日午前午後の2回講演だなんて、、、。しかも、低学年の生徒と高学年では、おそらくお話しする内容も話し方も断然違ってくるはずです。僕は広い体育館の演壇にいる僕自身の姿を想像して、頭もチカチカして呆然となりました。
こりゃ~、熊野3小の時に”比”じゃない。とてもじゃない、ムズカシイっ! 僕は断ろうかと思いました。もうこんな苦労をするのは二度とイヤだと思っていたはずなのに。でもお世話になった熊野第三小学校からの問い合わせでもあるし。やっぱり断れないのかなぁ~。
僕はS先生に、”一日で2回の講演は体力的にきついと思われます。日取りを離して二日間で行うという日程は取れないものでしょうか?”とお願いしました。S先生からは、職員会議とPTA役員会で話し合ってみます、との回答を得ましたが、もう一つの問題が生じました。
S先生は、”講演当日には最寄りの駅の広島電鉄宮島線の井口駅までお迎えに行きます”とおっしゃったのです。僕は電話口で、「えっ!?」と声をあげていました。
「S先生、僕には手動の車椅子を利用して、ひとりでバスや電車に乗ることは不可能です。サポートする人がいたとしてもかなり困難を伴います。僕は日常でも車椅子生活をしています。外出するときはいつも電動車イスでも利用出来る福祉タクシーを利用しています。小学校まで福祉タクシーで行き、体育館には電動車イスのまま入ることになりますが、それでもよろしいでしょうか?」
S先生は、”思いもよらなかった!”と言ったようなため息をもらしたあと、
「ああ、それは気が付きませんで、申し訳ありません」と答えられました。
「福祉タクシーの料金はどれくらいでしょうか?」
「僕は福祉タクシーで西区の方に行ったことがないので、どれくらいかさっぱり見当がつきません。中区袋町にある「市民交流プラザ」に行ったときには片道5000円ぐらいだったと思うので、井口までだったら10000円はかかるかもしれません」
「わかりました。今回の企画は当校の年間行事の予算を組んだ上での取り組みなので、別途交通費が必要となれば予算を組み直すことになりますから、あらためて職員会議とPTA役員会で会議をして連絡します」
僕は話が終わって受話器を置いてから、条件が悪くてもう講演依頼は来ないかもしれないな、と思いました。ズルイ考え方ですが、それならそれで僕としてはありがたい、そうも感じました。
それが先日、広島大学の受験日がぼちぼち迫ってきたそのある日、S先生から電話が入り、交通費の予算が取れたことと、12/11ごろではどうか?の打診があったのです。
今回の講演の難しさもあり、受験日は迫ってきており、考えなければならないことがいっぱいあって、僕の頭はこんがらがって、心は千々(ちぢ)に乱れます。
なのに僕は、S先生から「よろしくお願いします」と言われたとき、随分と調整にご苦労されたんだなぁ~と思い、
「つつしんで、受けたまわらせていただきます」の返答をしてしまっていたんです。
イヤなら、断ればよいのに、下手な太鼓持ち(幇間=ほうかん)じゃあるまいし、お座敷がかかればホイホイうれしそうにお受けしてしまう、自分自身の見識と節操のなさに嫌気がさします(大苦笑中!)。
それに低学年用と高学年用とのお話しをどう使い分ければよいのか、判断に苦しみます。これもさらに日程が確定して期日が近まれば、七転八倒の苦しみがやってくるのでしょうね。
ああ、これが中田輝義の人生だ、しかたがないとあきらめろ!
テリー、拝。
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fumifumi (月曜日, 26 11月 2012 19:21)
こんな言い方は失礼かと思いますが、
田舎の学校と街の学校ではかなり雰囲気が異なると思います。
また、低学年にどれだけ理解されるかも疑問です。
しかし、こんなチャンスは二度と無いかも知れません。
この様な講演はテリーさんにとって宿命とも思います。
折角近くに来られるのに何もお手伝いが出来ませんが頑張って下さい。
中田輝義 (火曜日, 27 11月 2012 16:45)
fumifumi さんへ、
かつて今までfumifumi さんからこのような僕の”行い”について、
「宿命」などと評されたことはなくて、
感慨深くかつ厳粛な気持ちで受け止めております。
ありがとうございました。
僕とっては、ヒマで何もすることがなくて、
ただボウーっと時間だけが過ぎていくような人生が恐ろしくて、
常に動いていなければ、
常に何かの目標に立ち向かっていなければ、
それがたとえ肉体的にも精神的にもキツイことであっても、
キツければキツイほど、達成したときの充足感が得られ、
常にその雰囲気に浸っていなければ、
生きている実感を得られないという思いがあるんですね。
そうすることで僕は、人間は日々、「死」に向かっているという現実を忘れようとしている。
恐怖感を紛らわそうとしている。
裏を返して言えば、
僕って、なんて弱くてエゴイスティックな人間なんだろう! と思えるんですね。
こんなことを書き綴ってしまって、
顔が真っ赤になるくらい、いま恥ずかしいです。
てりーはい
中田輝義 (木曜日, 06 12月 2012 10:24)
みなさまへ、お知らせ。
井口小学校のS先生から電話連絡が入り、
”福祉タクシー料金の追加費用が認められたのですが、
調整に手間取り、12/11ごろに予定していた講演会は、
来年の1月に順延したいと思いますのでよろしくお願いします。”
ということになりました。
イヤハヤ、いろんなたくさんの、
手続きを踏まなければならないものなのですね、やっぱり。
僕とすれば、これで七転八倒の”あがきタイム”が、
2年越しで延長されたことになりました。
また、愉しからずや、
あっははは! 大苦笑!
てりーはい。