今年の2月25日、世界的に有名なフラメンコダンサーの、わりさや憂羅(うら)さんが亡くなられた。
わりさや憂羅さんは、フラメンコの範疇にとどまらず独自の創作舞踊の世界を表現して、本場のスペインだけでなくヨーロッパやアメリカを中心に世界中で公演し絶賛され、高い評価をえた。代表作は、「ある闘牛士の死」「鳥の歌」「青いけし」「夢のあと」など。
日本フラメンコ協会会長の濱田滋郎氏は、「まさしく本物の激しさと厳しさを持つフラメンコである。この人の踊りには、人柄の反映であろう、なんとも知れず、優雅なエロティシズムがただよっている」と、評している。
わりさや憂羅さんの踊りを愛するファンには、作家の逢坂 剛、詩人の遠丸 立、女優の緑 魔子、三田佳子、劇作家の唐 十郎など、多くの著名人が今もなお、いる。
1988年4月17日、札幌すすきのにあったスペイン風居酒屋・デンパサールの特設ステージで、わりさや憂羅さんの公演会が催された。
今から24年前、円熟期にさしかかろうとするわりさや憂羅さんのフラメンコに、ファインダーから接する幸運と光栄に浴した。殺気立つようなすさまじい気迫と情念に圧倒され、鳥肌が立つのを感じながらシャッターを切りつづけていたことを覚えている。
今夜、なつかしい、わりさや憂羅さんのフラメンコを堪能しつつ、ご冥福をお祈りしたい。
合掌 中田輝義 拝
rehearsal
(クリックで大画面)
stage 1
stage 2
stage 3
finale
バイラオーラ わりさや憂羅
カンタオール 加藤直次郎
トケ(ギター) 瀬田 彰