エッセー集『つれづれの部室』は、1999年9月から2001年9月頃までに書きためたものを、2001年10月10日付け、広島市中区の渓水社より、自費出版したものです。今回、terry's room には、これらに多少の手直しと新たな原稿を加えました。
『づれづれの部室』本の最初のページに掲げた 「 ごあいさつ 」文を転載しました。ここには本書の紹介とコンセプトを書き綴っております。
皆さんに楽しんでいただければ、幸甚です。
中田輝義 拝
『 ごあいさつ 』
これらの小文は、僕が所属しているインターネット・Eメールクラブの中の「つれづれの部屋」の仲間たちと交信送信した、詩のようなもの、エッセー風のようなもので、特に決まったテーマもない自由気ままに、そのとき、そのときの独り言のような散文集です。
自由気ままな独り言とは言っても、今の世の中や。そこに生きている人間に対する僕なりの思い込みを、僕なりの思い入れで書き綴ったものです。
電子メールやチャットというものはテレビのモニターを通して見るもの、しかし、送信交信が終わればそれで用済み、その場その時限りに過ぎ去って消えてしまうもの。たとえ詩もどき、エッセー風のものでも、あらためて紙面に印刷する、出版物として残す、本として刊行することにどれほどの意味ががあるのか。そんな疑問を持たれるかも知れません。
今、まだ試行錯誤中の。新しいコミュニケートの媒体として、『こんな使い方もあるよ』という新しい表現方法の可能性を追求出来るのではないかと思い、散文集にまとめてみました。
皆さんの中には現に今、文章で飯を喰っているプロの人もいれば、これから文章で身を立てたいという人もいるでしょう。子供の時から本を読んだり、文章を書くことが好きだったという人もいるでしょう。最近、まとまった文章を書くことから遠ざかってしまっているかも知れません。
そんな人たちのためにもインターネット・電子メールやチャットが、文章による自己表現の場になればと思うのです。プロの人は試作品の手応えを探るために。文章で身を立てる人は軽く腕試しに。初心者だと思う人は練習に。ともに助け合い、切磋琢磨しあえればいいなぁと思っています。
また、長期自宅療養中の病を抱えている人、身体やその他の障害を持っている人など、外出するのが難しく、引きこもり状態になっている人にとっても、自分たちの思いを語り合い、表現し、社会参加する良い機会になると思うのです。
昔、僕たちの若い頃、古典、不朽の名作といわれた文学作品にいそしむことにより、社会を、人生を学びました。自己の人間性や芸術的感性を培おうとしてきました。しかし当今の若い世代には、活字離れが危惧される現代風潮の中、新しいインターネット・電子メールを利用して、文章による自己表現の場にすることも出来るかも知れないと考えました。
でも、やはりこれは、結局は僕だけの独りよがりの思い込みにすぎないのかも知れません。第一、書かれている文章のそれぞれのテーマ・内容が、今の世の中に対してどれほどの意味があるのか。魅力的な文章になっているのか。作者の考え方や伝えたいこと、人間性、生きざまが、うまく表現されているのか。書籍・出版物として刊行するだけの意義があるのか。それだけの価値があるのか。正直なところ僕には分かりません。
だた僕としては、僕の創作物として、一過性にするのではなく、何らかの形で残しておきたいと希望していました。
この度、僕の拙文雑文を読んで頂き、皆さんに御意見御感想を仰ごうと思い立ち、本書を刊行することにしました。どうか忌憚のない御批判・ご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
中田輝義 拝
奥付
『つれづれの部室』
2001年10月10日 初版発行
著 者 中田輝義
発行者 木村逸司
発行所 渓水社
〒734ー0041
広島市中区小町1ー4
www.keisui.co.jp